ハイパワーのレーザーは、様々な材料の加工に用いられたり、材料の分析などの研究に用いられたりしており、私たちの豊かな生活を支える重要なデバイスです。一般的には、レーザーのサイズが大きくなるほど、レーザーの出力は大きくなります。しかし、Qスイッチ現象を使うと、この関係を破り、サイズは小さいまま、高いレーザーパワーを得ることができます。このQスイッチ現象を、我々は、磁性材料の中のスピンを用いて、引き起こすことに成功し、スピン制御レーザーとして発表しています。電気や音響を使った光制御素子に比べて、スピン制御素子は、サイズが100分の1程度と小さく、素子と言うよりも、膜と言えるまでに小さくできます。このため、これまでとは全く違ったデバイスのデザインが可能となり、新しい機能を創出できます。本研究室では、このデバイスに用いる材料の作製、デバイスの改善、これにしかできない応用システムを開発しています。

磁性材料のスピンを使ったハイパワーレーザーデバイスとスピン波デバイス(2021年2月24日公開。)

スピン制御Qスイッチを用いたハイパワーレーザーデバイスの開発(2021年1月15日公開。NEDO若手研究者発掘支援事業の中の研究紹介の1つ)